枚方市駅、香里園駅、どちらからでもバスで10分ほど揺られた先にある「天邑 あつが瀬」。
今回は、地元の人以外は知ってないと足を運ばない立地に佇む「隠れた名店」をご紹介します。
ご挨拶が遅れました。
日本酒大好き大阪支店クリエイティブ部ディレクション課のTです。
弊社のありがたい制度、誕生日給付金を活用して夫婦でディナーを楽しんできました。
バス停から徒歩0分、美容室や薬局、カフェなどが立ち並ぶCONOBAというエリアの中にあつが瀬はあります。
知らずにいきなり入るには勇気のいる店構えですが、一歩足を踏み入れれば、とても寛げる和の暖かな空間が広がっています。
天ぷら懐石のコースのみを取り扱うお店で、ランチの気軽なコースもあります。
気さくなご主人と会話を楽しみながら、本日頂くのは夜の8,000円コース。
始まりは食前酒、ならぬ「食前酢」
爽やかな甘みと後に続く酸味が口内をリセットしてくれます。
先付は手作りの胡麻豆腐、もっちりとした食感と深い胡麻の味がたまりません。
さらには、上に添えられた本山葵がまた格別。
目の前で優しく丁寧に擦られ、流行りのかき氷に負けないふんわり感に仕上がったそれは、
辛さほんのり香り極上、奥に甘みまで感じられる品でした。
前菜。
季節を感じる一皿を頂くときは、いつも日本に生まれてよかったと感じます。
どれも美味しかったですが、特に立派なホッキ貝、三年河豚の煮凝りは思わず日本酒! となってしまう味わいで、手前の紅葉はなんとパプリカのムース! 「コレコレこの味!」という品から「何これ美味しい!」まで幅広い一皿でした。
ビールの後、本日の日本酒一杯目は「田中六五」
芯のある味わい、豊かな香りがすっと消えるのが心地よく、何にでも合わせてすいすい飲めてしまいそうな美酒。
ちなみに、あつが瀬の日本酒はどれも90mlでお値段控えめの設定ですので、色々な銘柄が楽しめます。
奥様が利き酒師の資格を持ってらっしゃるので迷ったら相談するのも◎です!
下に見切れているのはRIEDELの日本酒用グラスです。
気になっていたので実際に日本酒を飲むのに使えてラッキーでした。
香りが溜まるといいますか、手にもなじみやすい凹凸は、飲む際には全く気になりませんでした。
向付はお刺身。
氷温熟成という手法で旨味を引き出しているそうで、どれも魚種の持つ旨みが力強く感じられる品ばかりでした。
手前の伝助穴子はお刺身で初めて頂きましたが、エンガワを思わせる弾力と脂の乗った味わい深さがたまらない品でした。
三年河豚も一口でこれでもか! と河豚の旨みが広がる品で、主役の天ぷらを楽しむ前に満足度は高まるばかりです。
焼き物はかますでした。
炭火でふっくらと焼き上げられたかますに舌鼓。控えめなサイズのお料理が、それぞれ強烈な個性と旨みを届けてくれる品々が続き、本当にいい時間を過ごしているなと思いました。
ここで二杯目「奈良萬」のひやおろし
味わいの起伏も、香りも、とても繊細で優しい一杯。
気付くと余韻も消えているというお酒で、この後の天ぷらを本当に邪魔しない、とてもいいお酒でした。
天ぷらは全て載せると量がすごいので一部だけ抜粋。
始まりはさつま芋のシルクスイート。繊細な衣の中から舌にからむ、もってりとした黄金の芋が溢れます。
一度蒸かしたものを低温の油でじっくり揚げることで、この濃密な甘みを湛えたサクジュワ、スイーツを作り上げたそうです。
松茸様です。
芯まではギリギリ火を通しきらず、熱で引き出されたあの香りがかみしめた瞬間口の中で爆発します。
噛むごとにシャキシャキと歯切れのいい食感と共に旨みのエキスと香りが強くなってゆくこのたまらなさ。
最近は気候の変動が荒く、夏が続くなと思ったらもう冬かというくらい寒い日々が続いていましたが、この瞬間は心の底から「ああ、秋だな…」と感じることができました。
伝助穴子は、芯までしっかり火を通すのがよい揚げ方だそうで、口に入れる前から香ばしい香りが伝わります。
骨までパリパリで香ばしい香りと、身はふんわりぷりっと揚がっていて、これがまあお酒が進む。
たまらずもう一杯「Michelle」
こちらは実は以前、長野旅行の際に飲んだことがある日本酒だったのですが、白ワインを思わせるような酸味と甘味が調和する、とても特徴的かつ美味しいお酒だったのでまた飲みたい、と思いチョイス。
揚げ物とも合う、良いお酒です。ちなみに、ビートルズの楽曲を聞かせて作っているというお洒落な銘柄です。
こちらは海苔を巻いたホタテ。穴子とは正反対に表面だけさっと熱を入れる揚げ方で、上には雲丹と泡醤油を添えて。
ホタテが、凄い。
濃密な雲丹と、出汁の味わいがしっかりついた泡醤油と合わせてなお主張してやまない香りと甘み。
この三位一体はぜひ体験していただきたい逸品です。
続きまして本日の一品。
三日かけて煮込んだ子持ちの鮎。
芯まで柔らかく、魚卵の味わいと強い塩気が合わさって、残った日本酒がきれいに消えました。
え? 海老の天ぷら? もちろんありました。
国産車海老で芯だけほんのりレアな極上な品が。
すみません、写真のピンがズレておりまして…その全貌はぜひ、自身の目で確かめてみてください!
ご飯は醍醐の輝という岡山のお米をオリジナルで精米したものを、一組ずつ丁寧に土鍋で炊いてもらいます。
ツヤツヤで粒がしっかりとして、噛むほどに甘い。そのまま食べても美味しいお米に、卵の天ぷらをドン!
天つゆと合わせて思うままに混ぜ、掻き込む幸せ、たまりません。
ちなみにこれまでのコース構成も贅沢な品数でボリュームがすごく、お米はお代わり可能なのですが嫁は一杯でお腹いっぱい。
私はお代わり一回で大満足でした。
水物まで、手作りでした。
手作りの栗きんとんは、これは、原価が…と仕事柄余計な心配をしてしまうほど大量の栗を使ったであろう贅沢な味わいが。
気軽に話しながら約2時間半ほどの滞在。とてもいい時間を過ごさせていただきました。
あつが瀬さん、ありがとうございます!
天邑 あつが瀬の公式ページはこちら
↓
https://www.tenyou-atsugase.com/
【店舗情報】
ご予約・お問い合わせ
072-896-5636
住所
〒573-0084
大阪府枚方市香里ケ丘3-11-1 CONOBA香里ヶ丘B棟1F
アクセス
京阪本線・交野線「枚方市駅」、
京阪本線「香里園駅」からバスで約12分
営業時間
11:30~14:30(L.O.13:30)
18:00~21:30(L.O.20:00)
定休日
日曜日
駐車場
あり(お食事された方は2時間無料)
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