失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?

今回の記事は、フードコネクションのYouTubeチャンネル「個人店のミカタLAB」で公開している「失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?」の内容をまとめたものになります。

動画でご覧になりたいという方はこちらからご確認ください。

失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?(前編)

失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?(後編)

目次

自己紹介

浅輪:

フードコネクションの浅輪です。

今回は、「失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?」をテーマに、株式会社A2Tミセツクの槙野さんをゲストにお呼びしました。

牧野:

「株式会社A2Tミセツク」の牧野と申します。
ミセツクとは初めて飲食店を開業しようと思った瞬間から開業まで、伴奏して一緒にお店を作る会社です。
開業する時、何をしたらいいのか、困った時にどうしたらいいかを聞けるコンシェルジュのように思ってください。

槙野さんとは、10年くらいのお付き合いになります。
前前職から一緒で「株式会社KIDS」の元建装でしょうか。

牧野:

建装や施工管理ですね。
飲食チェーン店の本部に勤めていて、そこの店舗開発のなかで物件を探すのではなく、お店を作るほうの部署にいました。
そこで14年間、お店ばかり作っていました。

飲食チェーン店でもお店に立って「いらっしゃいませ」とは一回も言ったことはありません。
お店だけ作り続けている経歴になります。

浅輪:


牧野さんが在籍していた会社に作っていただいたお店で、僕は「いらっしゃいませ」をしていたという形の付き合いになります。

KIDさんは150以上の店舗が今もあります。
そういったお店を見続けてきた方に「物件選びのコツ」というのを伝授していただければと思っています。

失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?① | 事業計画

浅輪:


目次としては、1つ目は「事業計画」、2つ目は「資金調達」、ここには「物件選びと資金調達?!」という内容もあり、必ず重要になってくるので掘り下げていきます。
3つ目は、そこを含めての「物件探し」、それに関わる「内装」・「工事関係」です。

こちらの3つのテーマになりますが、最初のテーマである「事業計画」はそもそもどういうことでしょうか。

牧野:


わかりやすく皆さんの知っているものに例えると、Google mapみたいですね。
Google mapって「現在地」・「ゴール」・「行き方」がわかります。

それと同じような感じで、「飲食店の開業」も「今、どの位置に立っているのか」、「何がしたいのか」を明確にしておくことが「事業計画」です。

たとえば、目的地がある時に、皆さん「物件とどうやって紐づけるの?」と思われるのですが、「事業計画って何?」とすると「目的地からゴールを決める」ことになります。
では「現在地って何?」となると、私は「開業資金」だと思っています。
「今いくら持っていますか」、そして「目的地は何?」となると結構難しいです。

ミセツクでは、「払ったお金」がどのくらいで回収できるのか決めるように進めています。
それが「ゴール」です。
なぜ「ゴール」が投資回収なのか、利益が「ゴール」になりそうなのになぜ投資回収が「ゴール」かというと、投資回収を決めておくことによって予算内で物件を選定することができるからです。

投資回収を「ゴール」にしないで、利益を「ゴール」にするといくらでもかけられます。
いくら回収すればよいのかわからなくなり、予算が上がっていきます。
そうなると投資回収が遅れてしまい、いつまで経っても回収できません。

利益の次の回収まで含めて投資回収の「ゴール」にしておくと予算が決めやすいです。

浅輪:


「利益がいくら残ればいいんだろう」というところで開業を考えそうですが、投資に対して「いつぐらいまでに回収できるんだ」とゴールを見据えて行うために事業計画が必要ですね。

牧野:


飲食店開業ってどこまでいっても「投資ビジネス」なんです。
この物件に投資して、いくら儲けてどのくらいで回収するのか、そこを抑えることが大切です。

浅輪:


確かにそうですね。
内見しに行ってもそこまで回答できる方はあまりいらっしゃらないです。
事業計画で、ちゃんとしたゴール設定をするということが大事なんですね。

失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?② | 資金調達

浅輪:


2つ目のテーマの「資金調達」です。
流れとしては、「事業計画」があって「資金調達」の流れになってくるんですね。

牧野:


「資金調達」と「事業計画」に関してはどちらが先でも大丈夫です。
先ほど「現在地は自己資金」と伝えましたが、「自己資金」は借入後も含めて「自己資金」なので、資金調達したらいくらになるといった考えでも大丈夫です。

浅輪:


自己資金は、自身で把握している方も少ないのではないですか。
時々「自己資金はいくらですか?」、「それ以外は融資ですか?」と尋ねますが、「融資もまだ…」という方がいらっしゃいます。
ここで2つ目のテーマの「資金調達」になります。

牧野:


資金調達ってすごく難しいですね。
行政書士さんなどが行いますが、行政書士さんだけでは難しい部分もあります。
なぜならば、行政書士さんにお願いすると「物件を決めてきてください」と言われます。
そうしないと、かかるコストがわからないからです。
そうなるのは失敗スパイラルの入口で、内見した時にいいのかどうかわからない状態で決めてしまい、それに向けた「資金調達」になります。

順番が逆になってしまうのが最悪です。
「事業計画」と「資金調達」はどちらが最初でも大丈夫ですが、「資金調達」を最初に行うと物件を決めなければならなくなるので、そこの順番は、とても重要になります。
事業計画がないと前に進めません。

浅輪:


通常のルートでいくと、銀行からは「物件決まってないから貸せない」と言われ、こちらの立ち場からすると、そんなこと言われてもにっちもさっちもいきません。
そのような時はどうしたらよいですか?

牧野:


その時は、仮で、どこかのエリアで物件を決めた時の「事業計画」を作ってしまいます。
事前に作っておいて、それを「資金調達」の時の事業予算として提出します。

浅輪:


決まっていませんが、それでもよいのですか?

牧野:


「国金」などでは、「エリアが変わらなければよい」となっています。
わかりやすく言うと、たとえば渋谷でお店出したいという方が急に府中では出しません。
渋谷で決める方には、新宿や代々木にぶれてもエリアが同じと認められ、借りることができます。

浅輪:


では、ある程度その資金調達の目処が立つ状態までにしてから相談しにいくということが大事ですね。
たとえば、よいと思った物件は他の所からも声がかかるかもしれません。
貸す側の大家さんからすると、最初にお金を提供してくれる方、契約してくれる方になりますよね。
その時に、これから自己資金調達をすると言えば負けてしまいます。
その前に「事業計画」をしっかり作り、資金調達・環境相談ができている状態までどれだけ持っていけるかということが重要ということですね。

牧野:


「物件が決まりました」となったら申し込みは済んでいるので、2週間後、1ヶ月後の着金が最短になるので、そういう動きが大事になります。

浅輪:


準備ということですね。
それらのことを理解せずに物件を見に行くのではなく、しっかりと理解したうえで見に行くことが大事ということです。

失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?③ | 物件探し、それに関わる内装・工事関係

浅輪:

3つ目になります。
「物件探し」に「内装」や「工事」というものもあり、実際にいくらかかるかというのは、内見しに行っても素人目にはわかりません。

先ほどあった「事業計画」や「資金調達」というのも「このお店を作るのにいくらかかるか」というところを認識しないとその計画で立てられないですよね。
どのようにそれを理解したらよいですか。

牧野:


それができる人を連れてくしかないですね。
まず、「事業計画」があって内見してるという前提ですが、その時に何を見に行くかというと「事業計画」の数字を見に行きます。
その予算内で収まるかどうか、わかる方を連れて行ってください。

浅輪:


そんな簡単に見つからない時にはどうしたらよいですか。

牧野:


私は今までチェーン店で予算管理をしていたので、「こういうことをやりたい」と伝えていただければ、おおよそいくらかかるか瞬間でわかります。

浅輪:


それはすごいですね。
動画を見ている方から問い合わせがきますよ。

牧野:


お任せください。
私が直接行かなくてもオンラインでも内見することができます。

浅輪:


ではまず、「事業計画」をしっかり把握しなければなりませんが、「事業計画」を作る為には「自分の現在地」を知りましょう。
「自己資金」と「調達できる金額」、「調達しなくてはいけない金額」を知る為に「物件探し」や「いくらかかるか」というのを考えていかなればならないですね。

牧野:


少し違いますね。
物件を見に行って、「いくらかかる」から「それを調達しましょう」ではなくて、「資金調達」をする時にはだいたいいくら借りられるかわかるので、その「予算内で収まるかどうか内見しに行きましょう」というのが正解です。

浅輪:


そういう流れですか。
お店を作る時、「物件取得費」がありますよね。
物件を取得した後に、お店の内装・外装を作るための費用があります。
その大きな2つがあるからこの資金が必要で銀行に行きます。

牧野:


銀行に行っても「あなたにはこれしか貸せません」という金額がその方によって決まっています。

浅輪:


それでは、たとえば僕がミセツクさんに相談したら、あなたはだいたいこれくらいというのがわかりますか?

牧野:


かなり近い数字で当てられると思います。
審査するポイントは決まっていて、そのポイントをなぞっていけばわかります。

浅輪:


すごいですね。
たとえば、「事業計画」で「僕はこういうお店をやりたいです」、「500万円持っています」、「5年ぐらいで回収したいと思っています」と言ったら、「あなたはいくら借りられそう」だから「いくらの資金でやるためにいくらの物件を探しましょう」、「いくらの内装費をかけましょう」ということがわかるということですね。

牧野:


そういうことです。
我々が「事業計画」を作る時には、「スタート地点」というのはそれほどブレないです。
その中で収まる物件を探し、本当に収まるか確認する為に内見します。
「いくらかかるのか」ではありません。
「本当にその金額で収まるのか」というところです。

あとはもちろん、場所の良し悪しやその方のフィーリングがクリアするかの確認もします。
もう1つ、とても大事なことですが「事業計画」を作って見に行きますが、「事業計画」というと「売上」と「利益」ですよね。
飲食店で「売上」をどのように出すかは、現場出身の方が多いのでたいていわかっていらっしゃいます。

浅輪:


「客数×客単価」ですよね。

牧野:


そうです。
この「客数」をどのように計算するのかということです。
物件を見に行ってもここの客数が一日どのくらいと言える方はかなり少ないです。

浅輪:


わからないですね。
お店を見に行った時に何席できるかもイメージが湧きません。

牧野:


居抜きだったらいいですけどね。

浅輪:


既存のお店さんであれば「いくつテーブルがあるか」というのは見ればわかります。

牧野:


居抜きでも「何席で売上をいくら作れるのか」というものを考えていかなければならないので、それも見に行くポイントになります。

浅輪:


先ほど「リモートでも内見できます」とおっしゃっていましたが、店舗に行って動画を回して図面を見れば何席ぐらい取れそうかアドバイスをいただけますか。

牧野:


もちろんです。
居抜きのときも先ほど言った「初期投資」イニシャルが決まっています。
そうすると、物件も家賃もこのくらいからこのくらい、広さもこのくらいではないと先ほど言った「5年回収」に持っていくのに「売上・利益がこのくらい」となったら自ずと決まってきます。

浅輪:


「いくら売らなくてはいけない」・「客数はこれくらい」・「商品はいくらで売りますか」がわかれば自ずと出ますね。

牧野:


そうですね。
その為には「客数が何人にならなければいけないのか」そういったものもわかってきます。
先ほどの「何を見に行くのか」というところは、それを見に行きます。
「本当にその金額でできるのか?」というのと「本当に想定している売上が取れるのか?」を見にいきます。

浅輪:


その感覚で内見をしに行っている方は少ないと思います。
見に行く内容って「雰囲気のよさ」や「立地のよさ」という感覚がありますけど、違いますね。

牧野:


居抜きでとても条件がよくても「事業計画で想定している売上にいかない」時にはどうすればいいのかという内見の視点もあります。

浅輪:


そうなると、「客数増やさないといけない」と現場で話をして「席数を増やせられるかな」とか考えるんですね。

これは失敗しませんね。

牧野:


たとえば、想定していた内装設備投資が100〜200万円になりましたという時に、100万円追加投資しても問題ないかということもあらかじめわかるかもしれません。
もちろん、最初のスタート時にお金はロックされるのですが、それが追加でいくらかかっても大丈夫なのか、むしろかけた方がいい場合もあります。
「想定より席数が多い」など見てわかった時に、投資回収はこのくらいと設定していても「予算が50万円まだあるから客数増やしてみないか」とか、そういう風に進めると投資回収が早まります。

浅輪:


それって頭の中で計算するわけではないですよね。

牧野:


もちろん、僕はできないですけれどもミセツクで作ったフォーマットがあります。
それに数字を打ち込んでいくだけでわかります。
たとえば、このように「営業日数」を入れて、「何曜日に休むか」、といったものを入れていきます。
「席数は何席か」、「客単価は」とか必要な項目を入れていくと「事業計画」の見たい数字がわかります。

浅輪:


これで「営業利益がいくら」か「投資回収が何ヶ月」、「回収ランク」まで出るんですね。
これはノウハウからきているんですね。
Aだとしたら、Aの方達がAでグルーピングできるということですよね。

牧野:


そうですね。
これがわかると、だいたい「いくらで売ったらいいのか」がみえてきます。


もちろん、開業はゴールではなく、スタートですよね。
開業するため動いていたら開業がゴールになりますが、そこからまたスタートになります。
毎日営業して「いくら売ったらいいか」わからないって辛くないですか。

浅輪:


辛いですよ。
何をしていいかわからないってことですよね。

牧野:


ずっと真っ暗なトンネルの中を走るのってしんどいですが、「事業計画」の時点でそれがわかっていればそれを目指して運営すればいい、頑張ればいいということになるので、それが「事業計画」を作るメリットになります。

失敗しない物件選び!潰れないお店を作る物件選びのコツとは?④ | 物件探しのもう1つの基準「損益分岐点」

浅輪:


物件探しの1つの基準を伺いましたが、もう1つあるということなので教えてください。

浅輪:


「その物件でいくら売らないといけないのか」が「事業計画」で出てきます。

浅輪:


最低限これだけ売りましょう、という「損益分岐点」ですね。

牧野:


「損益分岐点」を「事業計画」のなかで出すことによって、それより「売れるイメージ」があるのか、そういったものが判断基準となります。

浅輪:


たとえば、「損益分岐点が出てきました」、「いくらです」で、それが売れるのかどうかわからないっていう方も多いと思います。
「どう判断していいかわかんないんですけど」と聞かれたらどうしますか。

牧野:


飲食店って「これくらい売れる」という指標があります。
「坪売りいくら」、「月商いくら」というものです。
これくらい売ったら繁盛店です、という数字になります。
逆にその数字にたどり着いていないと、普通か難しい状況ということなんですね。
それに「損益分岐点」は近いです。
「損益分岐点」ギリギリの月商がすごい繁盛店の月商と同じランクに入っていたらきついですよね。

浅輪:


きついですね。
売ったことのない場所でやらなくてはいけないわけですからね。

牧野:


数字を見ると、ランニングコストのFRLのどれかが高くなっているということですね。
物件でいうと、おそらく「RENT」ですね。
RENT=賃料が高いということです。
だからこの物件はやめましょうと判断がつきます。

浅輪:


間違いのない判断ができるわけですね。

まと

浅輪:

今回のテーマは「失敗しない物件選び潰れないお店を作る物件選びのコツ」ということですが、失敗しない物件のために、1つ目「事業計画をしっかり把握しましょう」、2つ目「資金調達も段取りしておきましょう」、それを踏まえたうえで3つ目の「物件の内見をし、見に行く時は資金調達・事業計画の答え合わせのための内見をしましょう」ということになります。

この3点を押さえることで失敗しない物件選び、より成功確率が高まる物件選びが可能となります。

これはなかなかできるものではありません。難しいです。
経験してないと無理だと思いますし、いろいろな経験をしないと無理だと思います。
しかし、「これ無理だよ」と言うのではなく「失敗したくないから牧野さん、ミセツクさんお願いします」という方は、概要欄の問い合わせ先までご連絡ください。

是非、問い合わせをしていただき、牧野さんにも行ける時には行っていただきたいと思います。
リモートでも対応可能です。


本日は、貴重なお話をありがとうございました。

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この記事を書いた人

レインズインターナショナル様で加盟店開発の営業を担当した後、同グループ会社であった株式会社テンポリノベーション様の立ち上げに携わりました。様々な店舗開発を経験した後、株式会社KIDS HOLDINGS様に転職し現場も経験しました。その後、東京レストランツファクトリー様で企画開発の他、店長・事業部マネージャーを経験するなど、20年以上飲食業界に携わっております。

株式会社フードコネクション入社後は、飲食店様に自社物件を貸し出す経験をしており「ミセカリ」事業部にも携わっており毎日物件探しをしている、物件探し・飲食店のプロです。

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